描かないアート『キャンベルスープの缶』徹底解説!!




今回は、ポップアート・アーティストのアンディ・ウォーホルによって1962年に製作された美術作品『キャンベルスープの缶』について。

 

『キャンベルスープの缶』

 

現代の複製技術の発達は過去の文化に見られなかった大きな影響を与えています。

時には32個のキャンベルスープの缶と言われることもあります。

また、32個すべて同じ訳ではなく、それぞれに表記されてる味付けの名前が違ったりもします。

 

なぜ評価された?

マーケットに売られているただのスープ缶を画面上に並べただけのこの作品がなぜ評価されたのか。

 

「伝統的画家というイメージを払拭しようとした」「絵画も日常の事物と等価であることを示した」等のさまざまな解釈が展開されていたこと。

 

また、ウォーホルの母親が毎日卓上にキャンベル・トマトスープを出しており、その影響からか大人になってもキャンベル・トマトスープをずっと食べ続けていたという背景があったことなど。

 

「母親の子宮」を表しているという精神分析的解釈なんかもあります。

 

作品が生まれた経緯

ウォーホルはオリジナリティにも無頓着

キャンベル・スープの缶を描いたのも他人のアイデアから生まれたものだと言っていました。

 

実際、ニューヨークのギャラリー・オーナーであった女性に「あなたが1番愛してるものを描いたら」と言われ、「1ドル紙幣」を描いたのです。

 

次に彼女が提案したのが「誰もが日常的に目にするもの、例えばキャンベルのスープ缶」。

彼はそれをただ描いただけだとも言いました。

 

メッセージ性

ウォーホルは、キャンベルスープの缶の他にも、シルクスクリーンの作品を数多く発表しました。

シルクスクリーンは機械的で誰にでも出来る作業です。

そして、アメリカの食卓に不可欠だったキャンベルスープの缶はアメリカを表しています。

“誰にでも出来る作業”に皮肉を込め、キャンベルスープの缶で“アメリカ”を表現したことから、アメリカと言う国そのものを軽視しているのではないかと言われてます。

皮肉を交えたアメリカへの軽視は、発展し続けるアメリカの社会全体へのメッセージだったのではないでしょうか。

 

マザコンだった?

ウォーホル自身、インタビューで、このチキン・スープは好きで毎日食べるから馴染みがあったと言っています。

 

実際、彼に昼食をごちそうするから来いと招待された友人は、キャンベルのスープ缶を温めただけの昼食を出されて驚いたそうです。

 

マザコンとも言えるほど母親と密接で、彼の作品には、彼女のサインが入っているものもあります。

彼は自分の作品に対しあまりにも無頓着で、誰が署名しようがお構いなしでした。

講演を頼まれても替え玉を送ったりしていたほどです。

 

すべてシルクスクリーン

ウォーホルの作品は絵の具で塗って絵を描くことはありません。すべて“シルクスクリーン”です。

 

「描かないアート」というトレンドに一致したことで世間から認められたのです。

 

彼のキャンベル・スープ缶は、「オリジナルなど元々存在せずすべてがコピーである」という人生哲学であったのかもしれません。

また、後に複製技術が発展するということを彼は既に知っていたのかもしれませんね…。

 

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