ダ・ヴィンチとヴェロッキオの”反抗心の表れ”「受胎告知」



今回は、絵画の”受胎告知”についてのお話です。

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/受胎告知

『受胎告知』とは何か?

受胎告知とは、

キリスト教の新約聖書に書かれているエピソードの1つです。

・聖告(せいこく)

・処女聖マリアのお告げ

・生神女福音(しょうしんじょふくいん)

とも言います。

内容は

聖母マリアに大天使のガブリエルが降り立ち、

マリアが聖霊によってキリストを妊娠したということを告げます。

また、マリアがそれを受け入れることを告げる出来事でもあります。

この出来事を絵画にしたのが、かの有名なルネサンス期のイタリア人芸術家である

・レオナルド・ダ・ヴィンチ

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/レオナルド・ダ・ヴィンチ

・アンドレア・デル・ヴェロッキオ

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドレア・デル・ヴェロッキオ

の2人です。1472年から1475年頃に描かれた絵画となっています。

左の大天使ガブリエルは左手に百合の花を持ち、

右手では人差し指と中指をVサインのような形にし、聖母マリアへ向け祝福を表しています。

大天使ガブリエルが手に持っている百合の花は、

フィレンツェの象徴であり、マリアの純潔の象徴をも表しています。

背中から見える翼は、ダヴィンチが描いたものは飛翔する鳥の翼を模写したものでしたが、後世の画家達によって長く伸びた翼に描き直されています。

また、ヴェロッキオは”有鉛絵具”を使用し、大胆な筆遣いで『受胎告知』を描きました。

これに対しダヴィンチは、自身の担当する部分を”無鉛絵具”を使用し、柔らかな筆遣いで描いています。

大天使ガブリエルの持つ百合の花は、宗教画に描写される時、男性を象徴する雄しべは描かれないことが多いのですが、この『受胎告知』に描かれている百合の花をよく見ると、しっかり雄しべが描かれています。

このダヴィンチの描く百合の花は「教会への反発・反抗心の表れ」として説明されることがあるようです。

“反抗心の表れ”と解釈される点としてはもう一つあるようです。

受胎告知のシーンで

聖母マリアの純潔性・処女性を示す要素として、「閉ざされた庭」が描かれることがありますが、ダヴィンチの「受胎告知」では、周囲が塀で囲まれているように見えるものの、大天使ガブリエルの手元の奥を見ると塀がなく、奥の風景へ繋がっています。

しかも、そこに意味深にも雄しべのある百合の花がうまく重なって描写されています。

聖母マリアの表情にも注目して見てください。

左手で表現されている驚きの中にも、その表情には少し落ち着きが見られますね。

この聖母マリアの表情から、天命を受け入れ、従順な姿勢を見せているようにも見えます。

この点については様々な解釈の余地があると思われます。

他の作家の『受胎告知』と比較して見てください。

今回は、レオナルド・ダ・ヴィンチとアンドレア・デル・ヴェロッキオの『受胎告知』について紹介しましたが、この他にも

・エル・グレコ

・ルーベンス

・ムリーリョ、ボッティチェリ

多くの画家の『受胎告知』が存在します。
興味のある方は、是非!