ポール・セザンヌ近代絵画の父が描く静物画の代表作「キューピッドの石膏像のある静物画 」



ポール・セザンヌとは?

ポスト印象派

もともとは印象派の画家でしたが1880年代からグループを離れ伝統的な画風にとらわれない独創性を探求したためポスト印象派の画家として紹介されます。

20世紀の美術に多大な影響を与えたことにより「近代絵画の父」と称されます。

その一つがパブロ・ピカソの作品が有名なキュビズムです。

 

芸術観

彼の芸術観を綴った手紙がありその内容が非常に興味深くご紹介します。

 

「ここであなたにお話したことをもう一度繰り返させてください。つまり自然を円筒、球、円錐によって扱い、全てを遠近法の中に入れ、物やプラン(平面)の各側面が一つの中心点に向かって集中するようにすることです。水平線に平行な線は広がり、すなわち自然の一断面を与えます。もしお望みならば、全知全能にして永遠の父なる神が私たちの眼前に繰り広げる光景の一断面といってもいいでしょう。この水平線に対して垂直の線は深さを与えます。ところで私たち人間にとって、自然は平面においてよりも深さにおいて存在します。そのために、赤と黄で示される光の振動の中に、空気を感じさせるのに十分なだけの青系統の色彩を入れねばなりません」

 

一つの中心点に向かって集中するようにする

これはおそらくダヴィンチ「最後の晩餐」で有名な一点透視図法のことでしょう。

赤と黄で示される光の振動の中に、空気を感じさせるのに十分なだけの青系統の色彩を入れねばなりません

これはダヴィンチの「モナ・リザ」で初めて使用された「空気遠近法」の説明とするに最適の表現です。

 

ここまで見るとセザンヌは意図せずなのか、ダヴィンチとよく似た芸術的視点を持っていたのかもしれません。

 

「キューピッドの石膏像のある静物画 」

セザンヌは静物画を多く描いていることで有名でその中でもこのキューピッドの石膏のある静物は群を抜いて有名な一つです。

 

有名でユニークな画風

歪み

1つ目は歪みです。

これは一見してわかるようにかなり空間が歪んで描かれています。キューピッドの背中から続く床のラインは腰を抜けた後大きく右上に上昇しています。

 

セザンヌは空間のゆがみと錯綜を意識的に使用し絵画的楽しみを味わっていたようです。

 

構図

2つ目は構図です。

歪んだ空間に配置されるはずの机はまっすぐに配置され、その上に乗るリンゴは曲線的な美を持ちながらも下に向かう重力に従って描かれている。

 

また、キューピッドの足元の玉ねぎも静物を配置にかかる連続性が表されているのがわかる。前方後方に無造作的な造作で配置されている。

つまり、嘘でないような嘘をつく画家の得意分野である。

 

最期に

最後にポール・セザンヌは直線、曲線、歪み、連続性、すべての要素を意図的に操作し美を追求したからこそ多くある静物画の中でも有名になったのでしょう。