「考える人」は何を考えている? 知られざるタイトルの秘密

「考える人」

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/考える人_(ロダン)

 

1902年オーギュスト・ロダン によって制作されたブロンズ像です。

 

台座に腰掛け、思索にふける人物の像で有名です。

 

「考える人」が設置されている場所は、現在世界各地26か所にあるそうです。

 

タイトル

タイトルというものは作品の中で最も大切なものです。

タイトル次第で作品の印象は変わります。

 

タイトルは本来製作者が名前を付けるものですが、「考える人」というタイトルはロダンの死後に、リュディエという鋳造職人によって付けられました。

 

では、ロダンはこの作品をなんと呼んでいたのでしょうか。

 

実は当初、ロダンはこの作品を「詩想を練るダンテ」と呼んでいたそうです。

しかし、彫刻を発表した時彼はこの作品を「詩人」と呼んでいたそうです。

作品を作っていくうちに考えが変わってきたのでしょうか。

その為、この作品の男性はダンテという説だったり、製作者のロダン自身ではないのかという説が出ています。

 

また、この作品は別の作品から独立して今の形になっています。

その元の作品が「地獄の門」です。

 

「地獄の門」

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/地獄の門

1880年にパリの装飾美術館の門扉として作られたものです。

ダンテの『神曲』を彷彿とさせるような作品になっています。

この作品は、地獄へおとされた罪人たちがもがき苦しむ姿が立体的に描かれています。

 

この門は一度通ってしまったら二度と出ることはできません。

まさに地獄の門ですね。

では、考える人は何処にいるのでしょうか。

画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/地獄の門

実は、門の上に居ました。

考える人は何か考えていたのではなく、地獄でもがき苦しんでいる罪人たちを“見ていた”のです。

やはり作品のタイトルというものは作品を味わう上で大切な存在ですね。

 

何を考えているのか?

先述しましたが、この彫刻の人物は考えているのではなく、“見ている”のです。

 

本来この作品のタイトルはロダンがつけたものではないので、ロダンは必ずしも“考えている”人とは思っていませんでした。

そして「考える人」は地獄の門の上に座り、下に広がる地獄を覗き込んでいるのです。

 

実際、「考える人」ではなく「見ている人」でもなく「覗き込んでいる人」なのかもしれませんね。

 

考える牛

「考える牛」は、バルセロナのランブラ・デ・カタルーニャ通りにある「考える人」をモチーフにした銅像です。

 

この通りはこの銅像が立つ前までは、通りの周辺を地下駐車場やバイパスにする計画があったようです。

 

しかし、並木道の素敵なこの通りが壊れてしまうことを危惧した地元の商店街の人々がなんとかその計画を阻止すべく、考え抜いた策が「考える牛」の銅像を設置することでした。

その策が功を奏し、この計画を阻止することができました。

 

結果、この通りの並木道を守ることができ、考える牛の像もシンボルの様な存在になりました。

しかし、この像は観光客には人気ですが、地元の人々は今となっては見向きもせずに通り過ぎていくようです。