Appleの天才デザイナー ジョナサン・アイブ




「 iPhoneをデザインしたのは誰?」

 

そう聞かれて答えることができますか?

皆さんが使っているiPhoneは、とても使いやすくデザインされていますよね?

新しいシリーズが出ると買い換えている人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなiPhoneやiPaなどのApple(以下、アップル)製品をデザインしている

「ジョナサン・アイブ」について紹介していきます。

 

 

何者?

ジョナサン・ポール・アイブ(Jonathan Paul Ive)は、イギリス人デザイナーです。

アップルのチーフ・デザイン・オフィサー(最高デザイン責任者)でもあります。

iMacMacBookiPodiPhoneiPadなど現在の様々なアップル製品のインダストリアルデザイン担当者として国際的に知られているとても有名なデザイナーです。

 

アップルの製品は常に注目の的で、利益率は他を圧倒します。

アップルには信者とも言えるほどの熱烈なユーザーが多く存在します。

そんなアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは2011年に亡くなってしまいます。

信者たちが信仰するカリスマの死後は、多くの評論家がアップルの製品に対し「色褪せていく」などの否定的な意見を述べました。

 

しかし、アップルは現在も増収増益を続けています。

その理由は、ジョブズの思想を理解した

天才デザイナーである“ジョナサン・アイブ”がアップルにいるからです。

 

 

経歴

アイブはロンドン生まれで、ニューカッスル・ポリテクニック(現ノーザンブリア大学)で工業デザインを学び、ロンドンのデザインスタジオ、タンジェリンで働いていました。

そのタンジェリンにアップルが、ある製品のデザインを依頼しました。

そのプロトタイプを作ったのがアイブだったのです。

アップルのデザインディレクターであるロバート・ブルーナーの強引な引き抜きにより、アイブは1992年にアップルに移籍しました。

 

 

代表作

アイブの代表作の1つに、ジョブズの復活の狼煙になったとも言われる「iMac」があります。

今までの常識を覆す丸みのあるボディに青い半透明のプラスチックで覆われています。

とても愛らしく、お菓子のようなデザインをしていました。

実は、アイブは自ら製菓会社の工場に足を運び、キャンディの包装工程を学んでいたのです。

その「iMac」の丸みを帯びたボディの背面には取っ手が付いていました。

かつてインターネットの黎明期と呼ばれた頃には、企業など一部の人々にしか使われていなかったパソコンが、ついに一人一台の時代になると感じ、

アイブは人々が取っつきにくいと感じるハイテクさに親近感を持たせる為に、取っ手を付けることで「触れて」というメッセージを与えました。

 

 

アイブの名を世に知らしめた代表作は「iPhone」「iPad」です。

発想の原点は、当時の携帯電話に“我慢ならなかった”ことだと後にアイブは述べています。

アイブはここに「ミニマリズム」を持ち込みました。

余計な部分を一切排除し、必要最小限の中に美を追求する考え方です。

iPhoneはその為とてもシンプルなデザインでボタンは1つだけ(今はボタンすらありません)です。

あとは直感的に操作できるタッチパネルで、シンプルな構成になっています。

電源を入れると静かな水面から浮かび上がってくるかのように画像が映し出されますよね。

これはアイブが、ジョブズが愛していた禅の世界をデザインで表現したものなのです。

 

アイブはiPhone5から、複雑な内部構造を持つボディを削り出す「ユニボディ」という技法を採用しました。

航空宇宙産業や高級時計などでしか使われないこの技法を我がものとするために、アイブはまたも自ら時計メーカーに通いつめ、機械加工の技術を習得しました。

 

 

デザイン哲学

以前、ジョナサン・アイブはiPhone X が発表された頃のインタビューの中で、デザイン哲学について語っていたことがありました。

iPhone X では、これまでのiPhoneとは違って画面がフルスクリーンになり、従来のホームボタンが廃止され、新しいデザインになりました。

初代iPhoneが発売されてからの10年は、初代iPhoneのデザインがスマートフォンの基本的な型(デザイン)でしたが、iPhone X は次の10年間における新たな基本的なデザインになると考えているか?という質問をされた時に、

ジョナサン・アイブは、自身が数年前に語っていたデバイスによるユーザーの認識方法が非接触式になるというビジョンが、ユーザーの顔を非接触で認識する「Face ID」によって今回実現することができたと答えていました。

 

そして、デザイナーとして悩ましいのが、物理的に存在する形が、その機能を理解する上において重要であるにも関わらず、形あるものを取り除くためにデザインしているというパラドックス(矛盾)があるということで、

「デザインのシンプルさは、ユーザーのコンテンツを最適な状態で提示するためのものです。もちろんそれが崇高で根源的なデザイン哲学であると考えていますが、シンプルにすることがデザインの全てだとは思っていません。」

と語っていました。

 

また、別のインタビューでは、

私達はどうでもよいモノに囲まれて生活している。

それは、それらを使う人々がそのモノをどうでもよいと思っているからだと考えると納得がいく。

しかし、私たちアップル社が作ってきたモノは、どうでもよいモノではなく人々が夢中になるモノだ。

これは単なる美学ではなく、事実だ。

人々は、じっくりと考えて作られたモノに夢中になる。

私達は、実に多くの洗練されたモノを製作し販売してきた。

アップル社の成功は、純粋さ品位を求める戦いにおける勝利である。

 

と話しており、この言葉通り多くの人々がアップル社の製品に夢中になっています。

 

 

iPhoneを生んだ動機

ジョナサン・アイブは公開インタビューの中で、iPhoneを生んだ動機について触れていたことがありました。

「iPhoneを作っていた時は、当時使っていた携帯電話に嫌気がさしていたことがモチベーションの大部分だった。」

当時、iPhoneがまだ生まれる前に普及していたその携帯電話は便利さを謳っていたものの、彼は熱意に欠けていたように思え、出来損ないだと感じていたようです。

そのことが製作する上での大きなモチベーションに繋がっていたようです。

当時では携帯電話というだけで誰もが画期的だと感じていたのに、そんな中で出来損ないだと感じ、新たに常識を塗り替えたジョナサン・アイブのセンスは素晴らしいものですね。

 

 

名言

ジョナサン・アイブの著書やインタビューなどの中から特に印象的だった名言を紹介します。

 

・「何かがうまくいったとき、そしてそれが直観的なものだったとき、そこには「美」が存在している。」

 

・「人と違うものを作るのはそれほど難しいことじゃない。問題は、人より良いものを作るのは難しいっていうことなんだ。」

 

・「私たちが何よりも大切にしていることは、ユーザーとコンテンツの間に余計なものが何もないと思えるまで、徹底的に設計を練り直すことです。」

 

・「単にシンプルなものから、本当に洗練されたものへとそぎ落としていく過程が、私は好きなのです」

 

・「工業デザイナーはモノをデザインするんじゃない。僕らはユーザーが対象をどう受け止めるかをデザインする。その存在、機能、可能性が生み出す意味をデザインするんだ。」

 

・「世界をどう見るかがどんなデザイナーになるかを決めるんだ。」

 

・「デザインを差別化の手段だと思っている人が多すぎる。それは企業側の見方だ。顧客や消費者の視点じゃない。僕たちの目標はこれから先も人に愛される製品を創ることで、差別化はその結果なんだ。」

 

・「Good(良い)」と「Great(素晴らしい)」は全くの別物だ。」

 

・「我々が生み出したものはいつか消えてなくなっても、我々がやってきたことはこの先もずっと残るだろう。」

 

・「何がどうなっているのか自分の理解の範囲を超えたとき、一種、魔法がかったような気分になるものだ。」

 

 

まとめ

ジョブズの思想をデザインで実際に具現化してきたのがジョナサン・アイブという男でした。

「天才×天才」により今の常識の一部ができたのです。

デザイナーであれば、誰もが憧れる存在であるのは間違いありません。