哲学者ピーター・シンガーが問う「あなたが救える命」

今回は、哲学者ピーター・シンガーのある「思考実験」をご紹介します。

非常に興味深いので、あなたも是非じっくり考えてみてください。

 

人物

ピーター・シンガー

オーストラリア出身の”哲学者”です。

現在はプリンストン大学の教授。

功利主義の立場から倫理問題を探求している哲学者です。

2005年の『タイム』誌では「世界の最も影響力のある100人」のひとりに選出されました。

 

思考実験

以下の文をよく読んでしっかり考えてみてください。


ある朝、仕事に向かう途中、池で小さな子供がおぼれているのを目撃したとする。

周りには誰もおらず、その子を救えるのはそこを通りかかったあなただけ。

その子供を助けるために、あなたは水の中に入らなくてはならない。

買ったばかりの新しい靴は台無しになるし、服もずぶ濡れ。

そして仕事にも確実に遅れてしまう。

さあ、あなたならどうする?


どうですか?

 

答えは決まっています

 

あなたはもちろん「その子を救う」でしょう。

子供の命に比べたらお金や時間なんてどうってことはありませんからね。

 

しかし、今の私たちはどうでしょうか?

シンガーはこの現状に問いかけています。

今こうしている間にも、世界中でたくさんの子供たちが命を落としています。

 

私たちは、実際に目にしたものしか救わないのでしょうか。

いえ、そんなことはありません。

 

目の前にいる子供と、地球の裏側にいる子供の命に違いなんてありません。

シンガーは、近くの命を救う義務があるならば、遠くの命も救う義務があると考えます。

 

しかし、目の前でおぼれている子供と地球の裏側で餓死しそうな子供たちの状況は異なっています。

そのため、異なる解決策が必要です…。

 

あなたならどうする?