人は簡単に服従される『ミルグラム実験』

あなたは権力者に残虐な行為を命じられた時、その命令に背くことはできるだろうか。

向こう側から叫び声が聞こえる。しかし、権力者からは「そのまま続けよ」と言われる。

あなたは中断できるだろうか。

 

「そんな命令絶対に従わない」

 

そう答えるうちの6~8割の人々は、権力者の命令だからとその実験を実行し続けてしまう。

それがミルグラム実験によって明らかになった。

 

ミルグラム実験

閉鎖的な状況における権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したもの。アイヒマン実験ともいう。

 

イエール大学の心理学者スタンレー・ミルグラム(1933~1984)が主導したため、ミルグラム実験と呼ばれている。

 

内容

「体罰と学習効果の測定」で80名が被験者として参加し、隣室にいる生徒役の回答が間違うたびにより強い電気ショックを与えることを要求されます。もちろん、生徒役に電気は流れていないので苦しんでいるふりをしているだけです。うめき声がやがて絶叫となっても被験者は実験者が「大丈夫です」と言うのにこたえて強くし続けました。最終的に65%の参加者が命の危険がある450Vのショックを与えることになりました。ミルグラムはこの実験をさまざまな状況で行いましたが、61~66%の範囲の人たちが致死の電気ショックを与えたということがわかっています(Blass,1999)。

出典:https://psych.or.jp/interest/mm-01/

 

1963年に行われたミルグラム実験の様子

 

他人ごとではない

この実験と同じような状況は、ナチスによって虐殺されたユダヤ人のことと同じである。

当時、指揮していたのはアドルフ・アイヒマン。彼は生徒役と同じように「命令に従っただけである」と言及している。そのことからわかるように、彼は残虐な悪人ではなく、忠実な凡人であるところだ。

われわれの正義感が裏腹に、権威によっていとも簡単に服従されてしまう。

 

政治思想家ハンナ・アーレントはこう言った。

「悪は陳腐なものである」

 

参考文献:Arendt, H. (1963/2006). Eichmann in Jerusalem: A report on the banality of evil. Penguin classics. New York, N.Y.: Penguin Books,.

Milgram, S. (1963). Behavioral study of obedience. Journal of Abnormal Psychology, 67(4), 371-378, doi:10.1037/h0040525.




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『思慮は深く、行動は大胆に』をモットーに生きる21歳。大学を中退し、中国やインドに放浪。現在は禅に傾倒している。